ページ内容へ

Chapter 2.2

規格に関するリサーチ

安全規格を理解し適用するのは大変な作業ですが、その構造を把握すれば、プロジェクトに必要な要点に集中できるようになります。800以上の規格が存在する中で、適切なものを特定することが重要です。本チャプターでは、この作業を効率的かつ管理しやすくするための調査ツールを紹介します。

規則と基準の指針について

基本の安全規格

機械指令の下には、1つのA規格があります。また、安全に関する詳細や対策を記載した約100のB規格があり、さらにEU内で機械特有の安全設計を詳細に説明した700以上のC規格があります。合計で800以上の規格が存在します。 これらすべての規格を誰が必要としているのでしょうか?

どの規格にも、それを必要としている者がいます。

しかし、安全確保に必要なのは、通常多くても8~10件です。そこで、規格を調査することにより、どれが必要かを判断します。何か「秘訣」があるように聞こえますが、実際は机、パソコン、そしてインターネット接続さえあれば、誰でもできることです。

まず、規格の構造を理解することから始めます。
安全規格は、問題とその解決策を見つけられるように論理的に構成されています。調査を進める経路は2つあります(下の図をご覧ください)

ここで説明した方法に従うと、多数の規格をひとつひとつチェックしなくても、適用される要求事項を見つけることが出来ます。また、本来適合する必要のない規格の調査にかかる費用も抑えることができます。Axelentでは、B規格を危険の種類や対策の種類ごとに整理したチャートを用意しています。このチャートは当社のウェブサイトからダウンロードできます。

こちらからもご覧いただけます。

Different Types Of Safety Standards JP (1)
Axelent Safety Book Safety Standards

リサーチ方法1:

機械に関する規格から、解決策の手がかりをつかむ

製作する機械類のタイプC規格から始めます。 タイプC規格の一覧は以下よりダウンロードできます。

ダウンロード

タイプC規格には、機械類のリスクアセスメントの詳細と、有効であると実証された安全対策の説明が含まれています。
この詳しい説明で、タイプB規格に言及している場合もあります。

例: 旋盤などの工作機械に関するタイプC規格(EN ISO 23125)は、安全対策としてインターロック付き可動式ドアの必要性を定めています。この安全要求事項の説明には、EN ISO 14120(ガードの設計に関する規格)とEN ISO 14119(インターロックの設計とガードの正しい設計に関する規格)が出てきます。

リサーチの流れ:

  • 製品
  • 事前定義された要件
  • 解決策の詳細
Research Strategy JP
リサーチ方法 1 – 機械に関する規格か ら、解決策の手がかりをつかむ

リサーチ方法 2:

危険源に対応できる安全対策を探す

製作する機械類に特有な安全規格がない場合は、 タイプA規格 (EN) ISO 12100 または 米国ANSI B11.0 や カナダCSA Z432から始めます。

リスクアセスメントの際には、危険を特定し、実施可能な安全対策についてAタイプ規格を調査してください。これらの対策をより詳細に説明するために、Aタイプ規格がBタイプ規格に言及している場合があります。

: リスクアセスメントで、高温の部品が危険源になることが分かったとします。EN ISO 12100には、その温度に応じて、カバーや断熱が必要となる可能性があると書かれています。特定の材料に対して許容される最大接触温度を決定するには、EN ISO 13732-1を参照してください。この規格は、さまざまな材料の許容可能な接触温度と接触時間を定めています。

リサーチの流れ: 

  • リスクの特定 
  • 実現可能な解決策
  • 解決策の詳細
Axelent Safety Book Time To Spare
トップへ