Chapter 3.3
安全柵の保護ボンディング
安全柵が引き起こす電気的リスクを正しく理解する必要があります。ほとんどの安全柵や手すりは、電気伝導性のある材料(鋼やアルミニウム)で作られています。そのため、安全柵や手すりが帯電し、そこに人が触れると感電のリスクが生じます。最悪の場合、大怪我や死亡事故につながります。
安全柵が帯電する可能性があるのはどのような場合ですか?
帯電する原因はいくつかありますが、安全を確保するためにリスク評価の際に考慮すべき重要な3つの要素は次の通りです。
- 稼働中の機械部品
フェンスで囲まれた機械は、フェンス自体とは異なる電荷を帯びている場合があります。帯電した機械の表面と柵の両方に触れると、感電する恐れがあります。これは、機械とフェンスの間の距離が2500mm未満(おおよそ人が両腕を伸ばした最大の距離)の場合に注意が必要です。 - 外部電圧
切れた電線(例えば、メンテナンス作業中に使用する電動工具やランプの電線)が金属製のフェンス部分に接触する可能性があります。この場合、フェンスは「外部電圧」を伝導します。 - 柵の誘導電流
フェンスの近くに強い電場が存在すると、フェンスに電流が誘導されることがあります。これは頻繁に発生する問題ではありませんが、大型の電動機(例:鉄道車両のモーター)がフェンスの近くで動作する場合に発生する可能性があります。工業用炉に設置された大型のヒーターや、建物の近くに落ちた雷が強い電場を発生させ、金属製フェンスに電流が誘導されることもあります。

なぜ安全柵を保護設置回路に含めるのでしょう?
安全柵に電圧がかかったり、電流が誘導されたりしても、必ず危険なわけではありません。多くは現場の接地状況により異なります。
一部の機械メーカーや運用会社は、周囲の機械の保護(等電位)の設置回路に安全柵を含める場合があります。安全基準であるISO 14120:2015は、安全柵が機械の「外部導電部分」であり、機械の保護接地導体システムに接続する必要があるかどうかを考慮することを推奨しています(ISO 14120の5.13条およびIEC 60204-1:2018の3.1.28条を参照)。この決定は、設置現場の条件を熟知している資格を持つ電気技術者または電気工事士がリスク評価の際に行うべきです。


産業環境におけるガードフェンスの保護接地を示す技術図面。図では、接地接続、ケーブルの取り付け、および適切な設置方法の詳細を示し、電気的リスクを軽減し、職場の安全性を向上させる方法を解説しています。
安全柵を保護設置回路に含める
いくつかは単にポストとパネルを接続し、その後、一方または両方の端を機械の保護接地回路に接続します。これは一般的に機能するものの、電気安全基準ではフェンス自体を接地導体として使用してはいけないと規定されています。
なぜポストとパネルを単純に接続するだけでは十分ではないのですか?
フェンスからパネルが1枚でも外れたり、接続が1カ所でも失敗すると、接地回路が途切れてしまうからです。
フェンス全体に別の接地導線を通し、各ポストとパネルをそれに接続する方が望ましいです。これにより、個々のパネルが取り外されたり接続が切断された場合でも、システム全体が機能し続けます。Axelentは、ポストやパネルに穴を開けることなく取り付けられるコネクタをオプションで提供しています。接地導線は、フェンスに取り付けたAxelentのワイヤートレイに敷設できます。
詳細については、EN(IEC)60204-1:2018のセクション8.1および8.2を参照してください。
